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うつ病は診断テストで手軽にチェック|メンタル診断ガイド

治療への第一歩

顔を押さえる男性

まずは疑ってみる

現在医療機関を受診しているうつ病患者は、100万人を超えていると推定されます。受診していない人を含めると、実際にはその3倍近くの患者が存在するとも言われています。誰でも患者となり得るこの病気の表れ方は、心の症状ばかりとは限りません。食欲の減退と体重の減少、その逆に過食と体重の増加という形で表れることもあります。不眠または過眠、疲労感や倦怠感といった、身体症状を訴える患者も少なくありません。そのため内科を受診して他の病気と誤診されたり、異状なしと言われて治療が遅れたりするケースもあります。身体症状にばかり惑わされず、心的症状を重視して心療内科や精神科を受診していれば、回り道をするよりずっと早く回復できることも多いのです。身体症状と比べて心的症状は、自分ではなかなか把握しづらいものです。専門の医療機関で診断テストを受けることなしに、自力で心の状態を分析するのは容易ではありません。うつ病にはいくつかの特徴的な心的サインが潜んでいます。2週間以上にわたる「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」のいずれか一方、または両方が認められれば、うつ病の可能性が濃厚です。他に焦燥感、罪悪感、集中力の低下などが見られる場合もあります。精神科や心療内科には、うつ病とそれ以外の病気を見分けるために、診断テストのノウハウが蓄積されています。身体的な不調と同時に特徴的な心的兆候が見られ、うつ病が疑われる場合でも、決して悲観することはありません。専門の医療機関を受診して正しい治療を行えば、うつ病は治る病気なのです。

心の状態を観察する

診断テストを受ける際には、自分の心を身体と同じように考えることで、医師の質問にも答えやすくなります。心は目に見えませんが、脳の働きに大きな影響を受けている点で、一種の身体器官と見なすことができるのです。自分の心を客観的に観察することができれば、治療に向けての大きな一歩を踏み出せるのですから、最初の診断テストはとても重要です。テストの結果うつ病と診断されれば、症状のタイプや進行度合いに合わせた治療が開始されます。うつ病の治療には大きく分けて、心理療法と薬物療法の2つがあります。さまざまな心的・身体的症状の原因は、セロトニンやノルアドレナリンなど、脳内神経伝達物質の減少にあると考えられてきました。抗うつ薬を使った薬物療法は、この状態を改善する目的で行われます。ある程度症状が進行している場合は、薬物療法と心理療法を併用しなければなりません。抗うつ薬はすぐに効き目が表れるとは限りませんので、時間をかけて気長に治療を続ける必要もあります。医師や臨床心理士はうつ病治療の言わばプロですから、相手を信頼して自分の状態を正確に伝えることが大切です。よく言われる「うつ病は心の風邪」という表現は、必ずしも適切でないのかもしれません。適切な治療を施せば必ず治る病気だという意味で、うつ病が風邪に喩えられているのです。そのためにも、まずは自分の心の状態を客観的に観察することが重要です。症状が少しでも軽いうちに心療内科や精神科を受診し、診断テストを受けることが治療への近道なのです。